「一生懸命弾いているようにみえるけど、全然音が聞こえない」
こんなこと言われて悔しい思いをしたことはないですか?
音が細くて小さいと悩んでいる方や、初心者の方、太くて大きい音が出したいと思っている方は、ぜひ読んでみてください。
コントラバスを弾いている人には、楽器から出る音が太い人と細い人がいます。
細い音の人も、その人なりに太い音と細い音の弾き分けをされているようです。
しかし残念なことに、太い音を出せる人に比べると、その差が圧倒的に小さいため、演奏を聞いても細い音にしか聞こえません。
また、合奏で細い音と太い音が一緒に鳴ると、細い音は太い音にかき消されて聞こえません。
舞台上で弾いても、他の楽器にかき消されて客席に音がとどきません。
太い音を出せる人と、出せない人の違い
太い音を出せる人と、そうでない人の違いは何でしょうか?
よく観察していると、その違いがわかってきます。
違いは、次の2つの場合がほとんどです。
- 太い音を出せる人とくらべて、指板よりを弾いている
- 太い音を出せる人とくらべて、弓を手前に寝かせて弾いている
指板よりを弾いている
指板よりを弾く人はなぜそこばかり弾くのでしょうか。
駒よりほど、重さが必要になり、弓を上手くコントロールしてあげないと音がかすれたりします。
指板よりは、弦にかける重さも少なくても音が出ます。
音がひっくり返ったりしません。
なので、弾きやすい場所です。
そう。楽なんです。
楽さと引き換えに、音を犠牲にしているということです。
弾く位置を変えると、どう違うでしょうか。
コントラバスは、駒から指板までのどの位置を弓で弾くかで、音の強さ、硬さ、太さが変わってきます。
指板よりほど、弱く、柔らかく、細くなります。
逆に、駒よりほど、強く、固く、太くなります。
指板よりを弾いている人は、もともと細い音しか出ない位置で、音色のわずかな違いを出そうとしていることになります。
太くて大きい音をだすために
基本は、指板と駒の中間を弾くようにします。
そこから、どんな音を出したいかで、そこより駒寄りを弾くのか、指板寄りを弾くのかを使い分けます。
そうすることで、音色の幅が広がり、表現力が豊かになります。
弓を手前に寝かせて弾いている
弓を手前に寝かせて弾いている人は、なぜ寝かせて弾くのでしょうか。
弓を寝かせると、弓の返しでアクセントがつきにくくなります。
そのかわり、音も細くなります。
弾くときの抵抗も軽くなります。
そう。楽なんです。
楽さと引き換えに、音を犠牲にしているということです。
弓を立てて弾くのと寝かせて弾くのでは、どう違うでしょうか
弓の毛の幅は、だいたい2センチ弱です。
弓を寝かせることで、そのうちの5ミリくらいしか弦につかなくなります。
その結果、10分の1くらいしか使ってないことになります。
弓を立てて弾くと、毛のほとんどの部分を弦につけることができます。
10本の毛で弾くのと、100本の毛で弾くのではどちらが太い音が出ると思いますか?
当然、毛の量が多いほうが太く大きな音が出ます。
太くて大きい音をだすために
基本は、できるだけ弓の毛が全部つくように弾きます。
これができると、出したい音色によって、弦につける毛の量を減らしたり、増やしたりコントロールすることができます。
そうすることで、音色の幅が広がり、表現力が豊かになります。
まとめ
太く大きな音をだすために、
- 基本は、指板と駒の中間を弾く。出したい音質によって、指板よりと駒寄りを弾き分ける
- 基本は、弓の毛が全部弦につくように弓を立てて弾く。出したい音質によって、寝かせたり立てたりを弾き分ける
最近なんかおかしいなと思ったらチェックしてみると、いつの間にか下手になってたなんて残念なことにならずにすみます。
駒よりを弾いたり、弓を立てて弾くことは、楽ではありません。
しかし、これらができるようになることで、音の表現力の幅を手に入れることができます。
そのうち、
「今日はすごく楽器が鳴ってたよ!」
といってもらえるようになると思います。
ぜひ、試してみてください。
さらに、効果的に大きい音を出すためには、脱力が必要になってきます。
脱力については、以下の記事を参考にしてみてください。
