オーケストラや吹奏楽でコントラバスを弾いていると、オクターブの4分音符を繰り返したり、3度や5度の移動がよく出てきます。
3度、5度、オクターブは、同じポジションでとることができます。
たとえば、E♭音とB♭音の5度の音程は、ハーフポジションでD線を1(人差し指)、G線を4(小指)の指でとることができます。
E♭の音をチューナーであわせて、E♭の音が合ったらHの音をとりますが、初心者の方はB♭の音程が低くなりがちです。
なぜでしょうか。
5度のB♭の音程が低くなる理由
1(人差し指)のE♭の音程があっていて、2(中指)のEの音程、4(小指)のFの音程があっていたとしても、B♭が低くなります。
初心者の方は、D線でFをとったときの1と4の指の間隔のまま、B♭の音をとろうとします。
これでは、当然B♭の音程は低くなります。
理由は簡単です。
上の写真をみてください。
E♭の音を1の指を押さえたあと、B♭の音を4の指でとると、1と4の指の間は三角形の斜辺になります。
同じ弦で、1、2、4の指でとっていたときよりも、1と4の指の間隔を広げないと正しい音程がとれません。
3度のA♭の音程が高くなる理由
3度の場合はどうでしょうか。
FとA♭の音程を考えます。
FはハーフポジションでD線を4の指、A♭はG線を1の指でとることができます。
3度の場合は、5度とは違い、1の指の音程が高くなりがちです。
上の写真を見てください。
5度のときと、三角形が逆になっています。
4の指でFをとったあとに、1の指でA♭を押さえます。
そのため、4と1の指の間隔が狭いとA♭の音程が高くなります。
同じ弦で、1、2、4の指でとっていたときよりも、4と1の指の間隔を広げないと正しい音程がとれません。
オクターブのB♭の音程が低くなる理由
オクターブの場合はどうでしょうか。
B♭の音程のオクターブを考えます。
B♭のオクターブは、ハーフポジションでA線を1の指、G線を4の指でとることができます。
オクターブも5度と同じように、4の指の音程が低くなりがちです。
5度のときよりも三角形が大きくなって、さらに斜辺が長くなります。
そのため、5度のときよりもさらに1と4の指の間隔を広げないと正しい音程がとれません。
音程の練習方法
3度と5度はとなりの弦で弾くことができます。
さらに、きれいにハモる音程です。
低い方の正しい音程をならし、その上に高い方の音程をのせて、一緒に弾きます。
左手は、2弦とも同時に押さえます。
そうすると、自分の出した4の指の音程が高いのか、低いのかわかりやすくなります。
きれいにハモったら、その間隔が正しい間隔です。
手が小さく2弦とも押さえるのが難しい方は、下でご紹介するオクターブと同じように練習してみてください。
5度の練習
3度の練習
オクターブの練習
オクターブについては、2弦を同時に弾くことができません。
まず、低い方の音をチューナーで正しい音程に合わせます。
低い方の音の音程があったら、高い方の音の4の指で音程をあわせていきます。
このとき、1の指は押さえたまま4の指をとります。
もし弦から1の指を少し離しても、1の指があった場所は必ず意識するようにします。
HIYAMAノートでは
以下の記事で書いた、私がおすすめしているHIYAMAノートには、各ポジションに必ずそのポジションで弾ける、2度~オクターブの音程練習のセクションがついています。
コントラバスの上達に教則本は欠かせません。 さまざまなコントラバスの教則本が出版されているなかで、ぜひ使ってみてもらいたい教則本があります。 この記事では、私が最もおすすめする教則本「HIYAMAノート」についてご紹介します。
HIYAMAノートをしっかりやっていけば、音程の間隔もしっかり身についていきます。
まとめ
3度、5度、オクターブは、吹奏楽やオーケストラでコントラバスを弾いているとよく出てきます。
正しい音程をとるために、
- 同じ弦でとる1、2、4の間隔より、広くなっていることを意識する
- 2弦同時に弾いて、きれいにハモったときの間隔を覚える
吹奏楽やオーケストラではコントラバスは全体をしっかり支えて上げる役割があります。
土台がフラフラしていると、その上に乗る楽器は不安になります。
しっかりした正しい音程で弾いて支えてあげましょう!