コントラバスは弦が太く、張力も強いことから、弾くために左手の力が必要です。
初心者のかたは、
- 左手の力不足で音程が低くなる
- 音がモゴモゴしてはっきりとした音程が聞こえない
など悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
握力は必要か?
たしかに、握力は強いほうが有利です。
しかし、握力が50キロ以上あるからといって楽に弾けるものでもありません。
握力計ではかった握力は、親指と人差し指、中指の3本の力がほとんどです。
残りの薬指と小指の力はあまり関与していません。
コントラバスを弾くためには、各指の力がバランスよくついている方が有利になります。
また、握力計ではかるときに使う方向の力とは、別方向の力を使ったりします。
そのため、左手の力をつけるといっても、最適な練習方法が、単純に握力をつけるものとは違ってきます。
楽器を使った練習
練習方法は簡単です。
弓は使いません。
- 適当なポジションの位置の弦上に左手の指を乗せます。このとき、弦はまだ押さえません。
- 弦に乗せた指をゆっくり指板に沈めるようにして押さえていきます。
- 弦が指板についた後もそのままさらに強く左手が力いっぱいで震えるくらい押さえます。
- この状態を15秒キープします。
- 左手の力を抜いて、筋肉をリラックスさせます。
これら1~5の手順を2~3セット、以下の4パターンで行います。
- 人差し指だけで押さえる
- 人差指と中指だけで押さえる
- 人差し指~小指まで押さえる
- 第6ポジション以降は人差し指~薬指まで押さえる
この中から何パターンか抜き出して、自分の力にあわせて練習します。
指がつりそうになる一歩手前くらいが、一番力がつきやすいと思います。
楽器を使わない練習
楽器を使わない練習もあります。
下の写真は、私が今使っている100均で買ってきたボール(軟式のテニスボールで行うのも効果的です)です。
このボール、個体差があります。
薬指と親指の2本で押さえてみて、半分くらい凹むくらいの硬さのものがちょうどいいと思います。
各指と親指でボールをはさんで押し合いをします。
特に、薬指と小指を重点的に練習すると、他の指とのバランスが取れて練習の効果も出やすくなります。
人差し指
人差し指はハーフポジションや第1ポジションのとき、人差し指の横で弦を押さえます。
そのため、人差し指の横と親指で練習します。
- 人差し指の親指側の横と親指の腹でボールをはさみます。
- ボールに当てた2本の指で、手が震えるくらいまで力を入れてボールを押し合います。
- この状態を15秒キープします。
- 左手の力を抜いて、筋肉をリラックスさせます。
これら1~4の手順を2~3セット行います。
その他の指
その他の指は、指の腹から少し先で押さえるので、そこを使って練習します。
- 中指(薬指、小指)の腹から少し先に親指の先をあてます。
- ボールに当てた2本の指で、手が震えるくらいまで力を入れてボールを押し合います。
- この状態を15秒キープします。
- 左手の力を抜いて、筋肉をリラックスさせます。
これら1~4の手順を2~3セット行います。
まとめ
左手を強化する練習をしていると、何日かで押さえるのが楽になるのが実感できると思います。
ただ、実感できたからといってすぐにやめないで、普段の練習で継続してやっておきましょう。
薬指と小指は、元々あまり使われない指なので、指の力が弱い指です。
この2本の力がついてきて、各指のバランスが良くなると、弦を力いっぱい押さえなくても押さえきれるようになります。
そうすると、速い動きも楽にできるようになってきます。
また、モゴモゴと歯切れの悪かった音が、はっきり聞こえるようになります。
ぜひ、試してみてください