コントラバスを練習するとき、よく反復練習が効果的と言われます。
しかし、ただ単に反復練習をしたからといって上達するわけではありません。
この記事では、反復練習の落とし穴と、それにハマらないための方法をご紹介します。
反復練習の落とし穴
まず始めに書いておきますが、反復練習はけっして悪い練習ではありません。
むしろ、コントラバス上達のために反復練習は必要です。
ただ、反復練習はやり方によって、イタイ落とし穴があります。
これにハマると、せっかくの練習した時間が無駄になる可能性が高くなります。
また、知らず知らずのうちに、変なクセがついてしまうこともあります。
そして、そのクセをなおすためにさらに練習時間が必要になることにもなりかねません。
では、どんな落とし穴でしょうか。
繰り返すことが目的になっている
うまく弾けるようになるために、反復練習をします。
何回練習したらうまく弾けるようになるでしょうか。
5回、10回、100回。
どんどん繰り返します。
熱心に時間をかけて、切れ間なくひたすら繰り返し練習します。
しかし、こういう人は、何も考えずに同じことを繰り返していることが多いタイプの人です。
これでは、かけた時間に対して得るものが少なくなってしまいます。
やっつけ仕事になっている
小学校のとき、ドリルの漢字を何回繰り返して書いてくるようにという漢字の宿題が出たことがあると思います。
そのとき、どんな気持ちで漢字を書いていたか覚えていますか?
「めんどくさいな」とか、「早く終わらないかな」とか思っていませんでしたか?
実際、漢字の形や、とめ、はね、はらいに気をつけて丁寧に書いていた人は少ないのではないでしょうか。
やっつけでは、なかなか上達するはずがありません。
落とし穴に落ちないために
落とし穴に落ちないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
それは、頭をフル回転させて練習することです。
ビジネスでよく使われる言葉で、「PDCAサイクル」という言葉があります。
PDCAサイクルとは?
PDCAとは、
- 「Plan = 計画」
- 「Do = 実行」
- 「Check = 検証」
- 「Action = 改善」
の4つの頭文字をとったもので、この4つを繰り返すことで業務をどんどん改善していく手法です。
ビジネス用語ですが、私たち自身、普段の生活でもPDCAサイクルを使っています。
たとえば、ダイエット。
「○kgダイエットしよう!」と目標を立てます。
- 計画:1日○km走ろうと計画
- 実行:計画を実行
- 検証:毎晩体重を計り、体重の減り具合を検証
- 改善:体重の減り具合によって、食事制限も加えてみようと改善し、再度計画
といった感じに。
このPDCAサイクルを反復練習に取り入れると、落とし穴にハマることはありません。
では、コントラバスの練習をイメージして、もう少し詳しく各項目を見ていきます。
Plan = 計画
目標を設定して、達成するためには何をすればよいか仮説をたてて、練習メニューを計画します。
- 何を達成したいのか
- そのためにどんな練習をするのか
- 練習時間をどう使うか
Do = 実行
計画した練習メニューを実行します。
このとき、自分の動きがどうなっているのか、できるだけ細かく観察します。
- 指
- 手首
- 肘
- 腕
- 肩
- 首
- 体の重心
Check = 検証
練習で観察した結果、
- 何が良かったのか
- 何が悪かったのか
を検証します。
Action = 改善
検証で見えてきた、課題の解決策を考えます。
- 何を変えるか
- もっといいやり方はないか
そして、計画からサイクルを繰り返します。
PDCAサイクルのコツ
このサイクルがうまく回らない理由として、次のことが考えられます。
- 計画のところで、練習メニューの目的がよくわかっていない
たとえば、何も考えずにロングトーンをしている。 - 実行のところで、自分を観察できなかったため検証できない
たとえば、楽譜ばかり見ていて自分がどう動いているか見ていない。 - 改善のところで、しっかり解決策を考えずに、次の計画に移ってしまう
たとえば、弾いてみてうまくいかなかったので、すぐに弾きなおす。
このサイクルをうまく回すには、
PDCAのサイクルと、この3点をしっかり意識していれば、落とし穴にハマることなく上達することができます。
また、練習ノートを作って、このサイクルでわかったことを書きとめていくと、あとでうまく弾けなくなったときに見直すことができます。
まとめ
この記事では、反復練習の落とし穴と、それにハマらないための方法をご紹介しました。
反復練習の落としなとは、
そして、落とし穴にハマらないために、PDCAサイクルを取り入れてみてください。
PDCAサイクルをうまく回すコツは、
ぜひ参考にしてみてください。