左手に負担かかってない?各社コントラバス弦の張力の違いを比較調査

Photo: double bass by Mariusz Kucharczyk

コントラバスの弦は、他の弦楽器に比べとても太い弦になっています。

また、弦長も104~106cmと長いため、その張力も強くなります。

弦の張力は、メーカーや、同じメーカーでも弦の種類によってその数値が違っていることを知っていますか?

私もこの弦は太いとか、この弦は柔らかい程度の知識はありましたが、実際張力がどうなのか細かくは知りませんでした。

そこで、オーケストラや吹奏楽でよく使われる弦の張力を調べてみました。

この記事では、調べた弦の張力の一覧と、弦ごとにどういった違いがあるのかをご紹介します。

調査する弦のリスト

今回張力を調べた弦のリストは以下のリストです。

ピラストロ、トマスティーク、ダダリオ、サバレスの4つのメーカーの弦を調べてみました。

以前は、ピラストロの弦は張力の数値が公開されていなかったようですが、2016年6月に公開されたようです。

  • ピラストロ
    • オリジナル・フラットクロム
    • オリジナル・フレクソコア
    • フレクソコア
    • フレクソコア・デラックス
    • パッショーネ
    • パーマネント
    • オブリガート
    • エヴァ・ピラッツィ
    • オイドクサ
    • オリーブ
  • トマスティーク
    • スピロコア
    • ベルカント
    • ドミナント
  • ダダリオ
    • ヘリコア・オーケストラ
    • ザイエックス
  • サバレス
    • コレルリ 370
    • コレルリ 380

調査結果

各メーカーの結果を見ていきます。

各社、各弦によってどんな違いがあるでしょうか。

また、詳しい結果の一覧表は、付録にある表を御覧ください。

ピラストロ

ピラストロ社が販売している、オーケストラ用弦の張力の数値です。

次の表は、各弦のミディアムの数値です。

弦の名前GDAE
オリジナル・フラットクロム26.127.031.833.6
オリジナル・フレクソコア26.427.332.133.9
フレクソコア29.429.730.629.7
フレクソコア・デラックス28.530.032.432.1
パッショーネ27.928.830.328.5
パーマネント29.430.632.132.7
オブリガート27.028.229.730.9
エヴァ・ピラッツィ29.129.131.530.6
オイドクサ28.828.829.727.0
オリーブ25.525.527.928.5

オーケストラや吹奏楽などでよく使われている、オリジナル系やパーマネントは同じ傾向で、低い弦になるごとに張力の数値が大きくなっています。

しっかりした低音を出すためには、この傾向が必要というピラストロの考えがあるからでしょうか。

トマスティーク

トマスティーク社が販売している、オーケストラ用弦の張力の数値です。

次の表は、各弦のミディアムの数値です。

弦の名前GDAE
スピロコア30.531.032.033.0
ベルカント28.328.829.328.8
ドミナント29.029.030.030.0

昔からあるスピロコアは、ピラストロの傾向と同じように低い弦ほど張力の数値が大きくなっています。

オーケストラや吹奏楽でよく使われるようになった、比較的新しい弦のベルカントは、A線の張力が若干高くなっていますが、ピラストロのオリジナル系ほど弦ごとの差はありません。

ピラストロのオリジナル系ほどの重低音は出ないかもしれませんが、左手の負担を考えると、A線、E線のテンションが低いベルカントは弾きやすそうです。

ダダリオ

ダダリオ社が販売している、オーケストラ用弦の張力の数値です。

次の表は、各弦のミディアムの数値です。

弦の名前GDAE
ヘリコア・オーケストラ28.129.931.331.8
ザイエックス27.728.329.329.9

傾向は、ピラストロと同じように低い弦ほど張力の数値が大きくなっています。

左手の負担を考えると、A線、E線はピラストロのオリジナル系ほどの張力がないので、弾きやすそうです。

ただ、ピラストロのオリジナル系やトマスティークの弦に比べると、若干寿命が短い気がします。

サバレス

サバレス社が販売している、オーケストラ用弦の張力の数値です。

弦の名前GDAE
コレルリ 370M24.223.324.324.5
コレルリ 370LF26.126.425.826.9
コレルリ 370F26.925.826.426.1
コレルリ 370TX26.927.328.628.0
コレルリ 380M24.025.123.926.1
コレルリ 380TX27.028.328.227.5

他社に比べ、圧倒的にテンションの数値が小さいのが特徴です。

弦もとても細く、音はチェロに近い音のように感じます。

ここまで数値が小さいと、左手の負担は軽いと思いますが、弦への重さのかけ方も変えて弾かないと音がつぶれてしまう可能性もあります。

まとめ

いかがでしたか?

この記事では、調べた弦の張力の一覧と、弦ごとにどういった違いがあるのかをご紹介してきました。

張力だけで、どの弦がいいという判断はできませんが、弦の選択の一つの基準にはなりそうです。

これに、弦の音質、値段などの基準を加えて、総合的にどの弦が自分の好みかを判断すると納得のいく弦選びができると思います。

この中でおすすめと聞かれると、ベルカントになります。

ベルカントの音は、温かいオーケストラ向きの音です。

また、値段もピラストロのオリジナル系に比べて1万円以上もお安くなっています。

ベルリンフィルやウィーンフィルでもベルカントが多いという話も聞いたことがあります。

実際、ベルカントの張力の数値を見ると、張力の面からも左手の負担が少なく、弾きやすいのではないでしょうか。

付録

付録として、各社の弦の張力の数値を一覧にした表を載せておきます。

弦選びの参考にしてみてください。

弦長の単位はcm、弦の張力の単位はkgです。

メーカー弦の名前太さ弦長GDAE
ピラストロオリジナル・フラットクロムmedium10626.127.031.833.6
オリジナル・フレクソコアmedium10626.427.332.133.9
フレクソコアsoft10628.227.027.927.0
medium10629.429.730.629.7
strong10633.633.633.033.6
フレクソコア・デラックスmedium10628.530.032.432.1
パッショーネmedium10627.928.830.328.5
strong10628.228.832.131.8
パーマネントmedium10629.430.632.132.7
オブリガートmedium10627.028.229.730.9
エヴァ・ピラッツィsoft10626.427.329.128.5
medium10629.129.131.530.6
オイドクサmedium10628.828.829.727.0
オリーブmedium10625.525.527.928.5
トマスティークスピロコアlight104-10627.528.029.030.0
medium104-10630.531.032.033.0
ベルカントmedium104-10628.328.829.328.8
ドミナントmedium104-10629.029.030.030.0
ダダリオヘリコア・オーケストラlight10626.427.828.329.1
medium10628.129.931.331.8
heavy10629.031.033.133.9
ザイエックスlight10626.327.028.329.0
medium10627.728.329.329.9
サバレスコレルリ 370M10424.223.324.324.5
F10426.925.826.426.1
LF10426.126.425.826.9
TX10426.927.328.628.0
コレルリ 380M10424.025.123.926.1
TX10427.028.328.227.5

スポンサーリンク

この記事が参考になりましたら、シェアしていただけると、励みになります!

Facebookページ
最新の記事情報を、
いいねしてチェックしよう!
ページの先頭に戻る