コントラバスを弓で弾くとき、どんな持ち方をしていますか?
コントラバスの弓の持ち方にはいろんな持ち方があります。
どの持ち方が一番いいというのはなく、どの持ち方にもそれぞれメリットとデメリットがあり、自分にどの持ち方が一番あっているかで持ち方を決めることになります。
この記事では、私の弓の持ち方のそれぞれの指の役割についてご紹介していきます。
私の弓の持ち方の前に、少しコントラバスの弓についてふれておきます。
フレンチボウとジャーマンボウ
コントラバスの弓には、フレンチボウとジャーマンボウの2種類があります。
毛箱の形、ヘッドの形、弓の長さなどが異なります。
次の写真がフレンチボウです。
そして、次の写真がジャーマンボウです。
世界で見ると、フレンチボウを使用されている方が多いようですが、日本ではジャーマンボウを使用される方が今のところ多いようです。
私が今使っている弓も、ジャーマンボウです。
ジャーマンボウを使う奏者の中にも、さらに弓の持ち方の種類があります。
- フランティシェク・ポシュタ氏(元チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者)が広めた持ち方
- ルートヴィヒ・シュトライヒャー氏(元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者)が広めた持ち方
- ベルリンのライナー・ツェペリッツ氏(元ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者)が広めた持ち方
同じジャーマンボウでも、少しずつ違った持ち方がいろいろあります。
私の弓の持ち方
私は上に書いた3つ持ち方の中で言うと、一番最初の持ち方で、チェコ式と言われている弓の持ち方です。
なぜ私がこの持ち方にしたかというと、
- オーケストラでコントラバスを始めたとき、そのオーケストラにはジャーマンボウしかなかったから
- レッスンについている先生がチェコ式の持ち方で、持ち方についてわかりやすく教えていただけたから
の2つの理由があります。
私がジャーマンボウにした理由
日本でジャーマンボウが多い理由は、最初にチェコに留学したコントラバス奏者がジャーマンボウで学び、それを弟子達を通して広めたからだと言われています。
そのためもあってか、私がコントラバスを始めたとき、所属していたオーケストラにはジャーマンボウしかありませんでした。
いきなりフレンチボウを自費で買うわけにもいかず、オーケストラのジャーマンボウを借りて使っていました。
ただ、もしフレンチボウを買っていたとしても、周りにフレンチボウを使っている人もいませんでしたし、フレンチボウでレッスンをしていただける先生もいませんでした。
いま考えても、だれにも教えてもらうこともできず困っていたと思います。
私がチェコ式の持ち方にした理由
私がコントラバスを始めたとき、先輩たちはみんなウィーン式の弓の持ち方をしていました。
そのため、私も当初はウィーン式の持ち方でコントラバスを弾いていました。
先輩の弓の持ち方を見よう見まねでやっていたため、持ち方について詳しく知らないまま弾いていました。
今から思うと、変なところに力が入ったりしてひどい状態だったなと思います。
そんな私が今のチェコ式の持ち方に変えたのは、レッスンに通うようになってからです。
レッスンでは、それぞれの指がどんな役割をしていて、どう動くのかを丁寧に解説していただけたおかげで、いろんな疑問が解決できて自分の中で納得感が高かったのでチェコ式の持ち方に変えました。
チェコ式の弓の持ち方
弓の持ち方で、手のそれぞれの指には役割があります。
指の役割がわかっていると、不要な力を抜く事ができます。
そして、その指がどう動けばいいのかもわかるので、動きが自然になります。
親指と小指
親指は、親指の付け根の関節がさおがつくようにして、さおに右側の側面をつけて置きます。
小指は、毛箱とリンクの間あたりに置きます。
親指と小指は、弓を挟み込む形で弓を持つ役割をします。
親指は、腕の重さを弓に伝える役割もしています。
弓に伝える重さを軽くすると、音量が小さくなり、重くすると音量が大きくなります。
人差し指と中指
中指は毛箱の裏側に置きます。
人差し指は、中指の横に置きます。
中指は、弓が下に落ちないように支える役割をします。
人差し指は、中指の補助として、中指と同じように弓を支える役割をします。
弦の上に弓を置いたとき、中指を上げると弓先が上がり、下げると弓先も下がります。
中指の高さを調整して、弦と弓が直角に当たるようにします。
薬指
薬指は、弓の角度を変える役割をします。
薬指は、毛箱とリングの境目あたりに置きます。
薬指を少し動かすことで、弓の角度を寝かせたり、立てたりすることができます。
弓を寝かせると線の細い音、逆に弓を立てると太い音を鳴らすことができます。
また、速い移弦のときにも、薬指で弓の角度を変えることで滑らかに移弦することができます。
やってはいけない持ち方
指の柔軟性がなくなってしまうため、指の関節はまっすぐなったり、関節が逆反りてはいけません。
逆反りするということは、力が入っているということです。
そして、逆反りした持ち方を続けると、関節を痛める原因にもなるので、逆反りしてしまうクセを持っている方は、早めに治しておきましょう!
すべての関節は丸くなるようにします。
まとめ
コントラバスの弓には2種類、また持ち方もいろいろあります。
それぞれメリット、デメリットがあり、どの持ち方が自分にあっているのかは自分で試してみないとわかりません。
この記事では、私がやっているチェコ式の弓の持ち方について書きました。
私と同じような持ち方をされている方の参考になれば幸いです。