コントラバスで新しい曲を練習し始めるとき、いきなり楽譜を見ながら弾き始めても弾けませんよね。
まずは、どの音をどのポジションのどの指で押さえるかを考えると思います。
この記事では、弾きやすいフィンガリングを見つけるコツをご紹介します。
フィンガリングをつけるのは大切な準備
曲を弾くときの左手の指使いのことをフィンガリング(運指)と言います。
このフィンガリングを考えるのは、早く曲が弾けるようになるために、とても大切な準備です。
ここで弾きにくいフィンガリングをつけてしまうと、ずっと弾けないままどうすれば弾けるようになるんだろうと悩むことになります。
フィンガリングは、パズルに似ています。
- どの弦で
- どのポジションで
- どの指で
押さえるかの組み合わせで、弾きやすいか、そうでないかが決まってきます。
弾きやすい組み合わせを見つけたとき、パズルが解けたようなスッキリ感があります。
また、弾きやすいフィンガリングを見つけられると、練習時間も短縮でき、他の練習に時間を当てられます。
フィンガリングを考える時間を安易に飛ばしてしまうと、長い時間を費やしてしまうことになります。
そして、フィンガリングを変えるだけであっさり弾けてしまったなんてこともよくある話です。
フィンガリングのクイズ
2つほどフィンガリングのクイズを出します。
フィンガリングクイズ1
次のような楽譜があったとき、どんなフィンガリングをつけますか?
8分音符と16分音符2つの組み合わせが4つあります。
同じリズムのセットで音が登ったり下ったりするパターンは、曲の中でもよく出てくるパターンです。
あまり考えず、順に音を取っていくと、次のようになります。
このフィンガリングは弾きにくいフィンガリングです。
テンポが速くなればなるほど、弾けなくなリます。
その理由は、
- 短い音符のときにシフティングしている
- 速い音符を取るときに毎回違うパターンでとっている
テンポが速いとき、シフティングをする音符はできるだけ長い音符でしたほうが楽になります。
また、リズムは似ているのに、毎回違うパターンでとると、パターン分練習しなくてはいけません。
次の楽譜を見てください。
わかりやすくするため、16分音符2つと次の8分音符のセットに赤い丸をつけています。
赤い丸をした、タタターという音形を1セットとしてフィンガリングを考えてみました。
8分音符を弾いたあとにシフティングをしています。
長い音符でシフティングしているので、左手にもシフティングする時間的余裕が生まれます。
また、赤丸をした部分の指は、「414」か「424」の2パターンしかありません。
最初の2つのセットを練習してできるようになれば、残りの2つのセットも弾けるようになります。
こういうフィンガリングを見つけるコツ
- 似たような音型、リズムの部品を共通化できないか
- シフティングの位置を長い音符のときにできないか
できるだけ楽ができる方法を見つけられれば、そのフレーズを練習する時間を他の練習に当てることができます。
フィンガリングクイズ2
次のような楽譜があったとき、どんなフィンガリングをつけますか?
今度は8分音符が並んでいます。
どういうフィンガリングにすると楽ができるでしょうか。
あまり考えず、順に音を取っていくと、次のようになります。
このフィンガリングでも弾けないわけではないと思います。
ただ、移弦が入ったり、シフティングが入ったり、毎回違うパターンの動作が入っています。
また、シフティングが裏拍の前に入っているので、速いテンポになるとテンポについていけなくなる可能性があります。
どうにかして似たようなパターンにできないでしょうか。
次の楽譜を見てください。
わかりやすくするため、8分音符2つずつに赤い丸をつけています。
この赤い丸を1セットとしてフィンガリングを考えてみました。
このフィンガリングは何が楽になっているでしょうか。
このフィンガリングでは、奇数番目の8分音符はD線、偶数番目の8分音符はG線でとっています。
右手の弾く弦に注目してみると、D線とG線を順番に弾く規則的で単純な動きです。
左手は、赤い丸の中の2つずつの音符は同じポジションで取ることができます。
シフティングの位置が2音おきに規則的になっています。
規則的に似たパターンで弾けるようなフィンガリングにすると、考えることがシンプルになるので演奏が楽になります。
こういうフィンガリングを見つけるコツ
- 右手のパターンをできるだけシンプルなパターンにできないか
- 左手のポジション、シフティングをシンプルなパターンにできないか
まとめ
この記事では、弾きやすいフィンガリングを見つけるコツをご紹介しました。
フィンガリングをつけるのは大切な準備です。
フィンガリングをつけるコツは、いかに楽ができるかを常に探すことです。
- 似たような音型、リズムの部品を共通化できないか
- シフティングの位置を長い音符のときにできないか
- 右手のパターンをできるだけシンプルにできないか
- 左手のポジション、シフティングのパターンをシンプルにできないか
一度決めたフィンガリングも、練習中に突然「おっ!こっちのほうがいいかも!」とひらめくことも増えてきます。
いろんな選択肢を頭に入れておくことで、新しい曲をさらうときにもフィンガリングの候補がさっと頭に浮かんできて、早く練習に入ることもできます。
つねに「もっといいフィンガリングはないか」と考えるクセをつけておきましょう。
是非参考にしてみてください!