オーケストラや吹奏楽でコントラバスを弾いていると、いろんな調の曲を弾きます。
長調の曲だけでなく、当然、短調の曲も弾くことになるでしょう。
普段、基礎練習として音階練習をすると思います。
音階練習の時、ひょっとして長音階ばかり練習していませんか?
特に短調の曲をするときは、その調の練習をしていないと曲はうまく弾けません。
この記事では、短音階とそのフィンガリングについてご紹介します。
3つの短音階とは?
短音階には、3種類の音階があります。
- 自然的短音階
- 和声的短音階
- 旋律的短音階
調号は同じですが、音階の上がり方、下り方が少しずつ違います。
これらの3種類の音階について順にご紹介していきます。
自然的短音階
長調の音階は、主音からの各音の間隔は、
全・全・半・全・全・全・半
でした。
自然的短音階は、主音からの各音の間隔が、
全・半・全・全・半・全・全
となります。
上の楽譜では、主音のAの音からこの間隔になっていることを確認してください。
和声的短音階
自然的短音階は第7音とその上の主音との間隔が全音になっています。
そのため、音階を弾いてみるとわかると思いますが、終わった感じがしません。
この終わった感じを出すために、和声的短音階は少し音階の上がり方が変わっています。
和声的短音階は、主音からの各音の間隔が、
全・半・全・全・半・全+半・半
となります。
どうなっているかというと、上の楽譜を見て分かる通り、和声的短音階では第7音が半音上げられています。
では、実際に音階を弾いてみてください。
終った感が出ていると思います。
旋律的短音階
和声的短音階を弾いてみて、たしかに終わった感は出ていたと思いますが、何か気づきませんでしたか?
初めて弾いたとき、「アラビアっぽいな」と思いました。
和声的短音階は、第7音を無理やり半音上げたため、第6音との間隔が半音3つ分空いてしまうためにアラビア感が出てしまうようです。
このアラビア感を解決するために、上の楽譜を見て分かる通り、旋律的短音階では第6音も半音上げられています。
旋律的短音階は、主音からの各音の間隔が、
全・半・全・全・全・全・半
となります。
さらに、旋律的短音階では、下りの音階が上りの音階と違っています。
下りは、自然的短音階と同じ音になっています。
これは、半音上げた理由が、終った感を出すためでした。
主音に向かわない下りでは、そもそも半音上げる必要が無いため、下りの音階は、自然的短音階をそのまま使います。
短音階が3種類ならフィンガリングも3種類
短音階が3種類あるということで、当然コントラバスで弾くときのフィンガリングも3種類あります。
1つずつ説明していくのも大変なので、各調号の短音階にフィンガリングをつけた楽譜を書いてみました。
一番基本的なフィンがリグです。
このフィンガリングができたら、次は、
- D線で上がってみたら?
- 開放弦を使わないようにするには?
など、いろんな発展系のフィンガリングが考えられます。
楽譜をみてみたい方は、楽譜をダウンロードしてみてください。
短音階のフィンガリング | |
Downloads | 2056 回のダウンロード |
Version | バージョン 1.0.0 |
File Size | 67.91 KB |
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まとめ
この記事では、短音階とそのフィンガリングについてご紹介してきました。
短音階には3種類あります。
- 自然的短音階
- 和声的短音階
- 旋律的短音階
普段の基礎練習でぜひ短音階も取り入れてみましょう。
きっと新たな発見があるはずです!