コントラバスで速いフレーズを練習するとき、あらかじめチェックしておくと、うまく弾けていないところの発見や弾けるようになるまでの期間を短縮することができます。
この記事では、速く弾けるようになるために、あらかじめチェックしておきたいポイントについてご紹介します。
得意な動きと苦手な動き
認知症予防の運動でグーパー体操って知っていますか?
グーパー体操
左右の手を交互に前に突き出す運動です。
次のような動きをします。
パターン1:突き出した手「パー」、胸の手「グー」
認知症予防体操のグーパー体操を紹介します
パターン2:突き出した手「グー」、胸の手「パー」
やってみるとわかると思いますが、パターン1よりも、パターン2のほうが難しいです。
スピードを速くすると、さらにパターン2の難易度が高くなります。
突き出した手「グー」、胸の手「パー」のほうが難しいのは、
- 突き出すほうの手の、肘を伸ばす動きと指を曲げる動き
- 引っ込めるほうの手の、肘を曲げる動きと指を伸ばす動き
というそれぞれの手で逆の動きが同時に行われているためです。
人は動きの方向が同じ方向よりも、違う方向のほうが苦手で動きがやりにくく、動きも遅くなります。
コントラバスでは
コントラバスを弾くとき、左手は弦を押さえ、右手は弓で弦を弾きます。
右手と左手が同時に別の動作をしています。
上の「グーパー体操」でわかるように、右手と左手が同時に何かをするときに、得意な動きと苦手な動きがあります。
得意な動きと苦手な動きの例を上げてみます。
さてこの2つの例で何が違うでしょうか?
右手と左手の動きの方向が違います。
得意な動きの例は、右手も左手も関節を曲げる方向の動きになっています。
一方、苦手な方の例は、左手が関節を曲げる方向の動き、右手が関節を伸ばす方向の動きになっています。
次の例も上の例と同様です。
実際に弾いてみて体感
わかりやすく体感するために、次の2つの楽譜を弾き比べて見てください。
テンポを上げてみるとさらにわかりやすいと思います。
「ソ・ソ#」 のほうは、早い段階で右手と左手がずれてろれつが回らない感じになったりしませんでしたか?
弾ける限界のテンポが「ソ・ソ#」よりも「ソ♯・ソ」のほうが速いテンポになったと思います。
速く弾けるようになるためにあらかじめチェックしておくポイント
フレーズを弾くとき、どういうポジションのどの指で押さえるかを考えると思います。
このとき、速いフレーズの場合、右手と左手の動きの方向が同じになるようなフィンガリングが可能ならば、そちらを選択したほうが速い動きがしやすいので、弾けるようになるまでの期間が短くなります。
しかし、すべてを同じ方向の動きになるようなフィンガリングにするのは不可能です。
どうしても逆方向の動きになってしまう箇所は、そのまま逆方向の動きで弾くことになります。
しかし逆方向の動きになってしまう箇所は、リズムが崩れたりするつまづきの可能性のある箇所です。
そこで問題が発生して、その後がうまく弾けなくなる可能性もあります。
つまり、練習するときに確認するポイントになります。
このポイントを知っているだけで、うまく弾けない原因を認識しやすくなり、練習の効率も上がります。
まとめ
この記事では、速く弾けるようになるために、あらかじめチェックしておきたいポイントについてご紹介しました。
テンポの速いフレーズでは、あらかじめ次のポイントをチェックしておくと練習期間の短縮や練習の効率アップが期待できます。
普段の練習で一度チェックしていてください。
練習の参考になりましたら幸いです。