コントラバスを練習しているとき、弾いているフレーズが冴えないなと思うことがあります。
いろんな原因が考えられますが、私が一番に疑って確認するのはボウイングの弓の返しです。
この記事では、私がコントラバスの練習で、弓を返すときに注意していることについてご紹介します。
弓の返しで起きやすい現象
弓を返すとき、弓の動く方向が逆になります。
そのため、いろんな予期せぬ現象が起きてしまいます。
自分が意図しない現象は、自分のこう弾きたいというイメージを壊してしまうことになることもあります。
そうならないために、弓の返しでどういうことが起きているのかしっかり把握しておきたいところです。
私が弓の返しでよく疑う現象は次の5つです。
一つずつ見ていきます。
アクセントが付いていないか
弓の返しでアクセントが付いてしまう。
これが一番起きやすい現象ではないでしょうか。
弓を返したあとの音がかすれないようにはっきり音を出そうという思いが強すぎると、アクセントが付いてしまうことがあります。
弓の返しでアクセントが付く流れは、次のようになっていることが多いように思います。
返す直前で、弦にかける重さを軽くする。→ 返すと同時に、弦に重さをかけなおす。
音としては、返す直前にフッと音が抜けて、その後ガツンとアクセントが付きます。
弓の返しの前後で、弦にかかる重さの変化は、意図的に音質を変えたいとき以外、基本的に必要ありません。
返しの前後で、弦にかかる重さに注目すると、改善できることが多いと思います。
音がディミヌエンドしていないか
弓の返しの前に音がディミヌエンドして、返したあとの音が出たあとで後押し気味に音が大きくなる。
アクセントがつかないようにという思いが強すぎて、ディミヌエンドしてしまうことがあります。
この現象が起きる原因は2つ考えられます。
アクセントがつかないように弓をそっと返そうとしたときに、
確かにアクセントは付きませんが、フレーズの大切な部分で意図せず音がディミヌエンドしてしまうと、冴えないフレーズになること間違いありません。
弓の返しの前後で、弦にかかる重さや弓のスピードの変化は、基本的に必要ありません。
返しの前後で、弦にかかる重さと弓のスピードが一定になっていることに注目すると、改善できることが多いと思います。
音質が変わっていないか
弓の返しの前に音質が変わってしまう。
これもよくある現象です。
弦にかかる重さが変化したときに、音質が変わってしまいます。
弓元は、手に近いことから弓にかける重さの影響が出やすい場所です。
弓先に比べ弓元は腕の重さがかかりやすいので、弓先と弓元で弓に同じ重さをかけると弓元のほうが弦にかかる重さは重くなります。
また、弓元は特に手にとても近いため、コントロールすることが難しい場所でもあります。
弓にかける重さよりも弦にかかる重さの方に注意を向ける必要があります。
基礎練習で、元弓で返しの練習を集中的に行い、音質の変化がないことを注目すると、改善できることが多いと思います。
ビブラートが止まっていないか
ビブラートをかけているとき、弓の返しのタイミングとビブラートの波のタイミングがずれると、返したあとの音のテンポ感がわからなくなります。
これを回避するため、無意識に返す前に左手のビブラートの揺れを止めてしまうことがあります。
せっかくビブラートをかけてきれいに音を鳴らせていても、途中でビブラートが急に止まってしまうとフレーズが不自然に聞こえてしまいます。
次のようなときに起こりやすい現象です。
ビブラートの波の速さと弾いているフレーズのテンポ感をあわせておく必要があります。
メトロノームを使っていろんなテンポで練習して、ビブラートの波の数をコントロールできるようになると、改善できることが多いと思います。
音符の長さ分弾けているか
音符の長さより早く弓を返してしまい、実際のテンポより、早く次の音を弾いてしまうことがあります。
この現象が起きる原因は次の2つが多いかもしれません。
2分音符や付点のついた音符、四拍子の曲の4拍目や三拍子の曲の3拍目などが起きやすい場所です。
テンポをはしょると、演奏が走る原因にもなり、合奏では特に嫌がられるので気をつけたほうがいいでしょう。
長い音符はテンポのカウントをしっかり行うこと。
また、アウフタクトは少しテヌート気味に時間を長く取るように意識すると改善できることが多いです。
自分の演奏を録音してみて、アウフタクトでいつも自分で弾いているより長めに弾いてみて、演奏を聞いてみてください。
かなり長めに弾いたつもりでも、そのほうが自然に聞こえる場合があると思います。
まとめ
この記事では、私がコントラバスの練習で、弓を返すときに注意していることについてご紹介しました。
私が練習のとき弓の返しで気をつけていることは、次の5つです。
もし確認してみておやっと思うことがあれば、
などを確認して見るとうまく弾けない原因がわかってくるかもしれません。
コントラバスの練習の参考になりましたら幸いです。