コントラバスの練習で、ロングトーン練習はとても大切な練習の一つです。
ロングトーン練習をするとき、どんな点に注意していますか?
この記事では、ロングトーン練習で意識するポイントについてご紹介します。
ロングトーン練習とは
ロングトーン練習とは、一つの音を長く伸ばす練習です。
ロングトーン練習の目的は、弓を細かくコントロールできるようになって、安定した音を出せるようになることです。
四分音符=60で4拍から、長い人では30拍くらいできる人もいると思いますが、どんなに長く伸ばせても、次の2つのポイントができていなければ、長く伸ばせることにあまり意味はないように思います。
弓の速度を一定に保つ
ロングトーンで、弓の速度が一定になっていないとどうなるでしょうか?
自分が意図しないところで、音量が大きくなったり、小さくなったりします。
そんな演奏では、きれいなフレーズは弾けませんよね。
安定した音量の音を出すために、ロングトーン中は、速度を一定に保ちます。
速度を一定に保つために3つのポイントに分けて考えていきます。
弓をスタートした後や弓を切り替えした後
弓をスタートして動き始めたとき(弓を切り替えした後も同様です)、重心辺りまでの弓の速度が速くなってしまうことがあります。
音の立ち上がりをはっきりさせようとして、勢いよくスタートしたり弓を切り替えした場合に起こりやすい現象です。
弾こうとしているロングトーンの拍数で弓を均等に割ってどの拍のときにどの位置で弾いていればいいのかをしっかり計算する必要があります。
弓の中間
弓の中間あたりでは、弓が進んでいる方向に同じ速度で動かし続けます。
このとき、意識的に等速で動かし続けようとすると、速度が変化し、音量が変わってしまうことがあります。
弓が一定の速度で動いていて、右手はその動きに合わせてだ性で動いているような感覚で動かすと等速をキープしやすいと思います。
弓を切り返す前
右腕は、弓の返しでいきなり反対方向の動きに切り返すと、アクセントが付いたり、音が切れ目がはっきり聞こえたりします。
そこで、なめらかに切り返すために徐々に速度を落とします。
このとき、弓を切り返す前にフィンガーボウイングを行うと思います。
フィンガーボウイングができていなかったり、フィンガーボウイングのスピードが右腕の減速より遅いと、弓の速度が減速してしまいます。
弓の速度が減速すると、音量は小さくなってしまいます。
また、右腕の減速よりフィンガーボウイングのスピードのが速いと、弓の速度が加速してしまいます。
弓の速度が加速すると、音量は大きくなってしまいます。
右腕の減速とフィンガーボウイングのスピードのバランスを上手くとって、弓を一定の速度に保つ必要があります。
弦にかかる圧力を一定に保つ
ロングトーンで、弦にかかる圧力が一定になっていないとどうなるでしょうか?
自分が意図しないところで、音量が大きくなったり、小さくなったり、また、音質が固くなったり、柔らかくなったりします。
そんな演奏では、きれいなフレーズは弾けませんよね。
安定した音量の音、音質を出すために、ロングトーン中は、弦にかかる圧力を一定に保ちます。
弦にかかる圧力を一定に保つために、2つのポイントにわけて考えていきます。
てこの原理
右手で弓の右側を持ち、右腕の重さをのせます。
このとき、「てこの原理」で、弓元は右腕の重さがのりやすく、弓先はのりにくくなります。
弓元から弓先まで同じ重さを弓にかけると、弦にかかる圧力は弓先に行くほど軽くなります。
これでは弓元は大きく固い音、弓先は小さく柔らかい音になってしまいます。
弦にかかる圧力を一定に保つためには、弓にかける右腕の重さを弓先に行くほど少し重く、弓元に行くほど少し軽くというように調整する必要があります。
フィンガーボウイング
上にも書いたとおり、弓を返す前にフィンガーボウイングをします。
フィンガーボウイングで弓に右腕の重さを伝える役割の指が動くことによって、弓に伝わる重さが変化する場合があります。
この変化が、「てこの原理」により、弓元では特に音にあらわれやすくなります。
フィンガーボウイング中は特に弦にかかる圧力を意識しておく必要があります。
まとめ
この記事では、ロングトーン練習で意識するポイントについてご紹介しました。
ロングトーン練習の目的は、細かく弓をコントロールできるようになって、安定した音を出せるようになることです。
ロングトーンを長くしたり、音量を小さくしたり、弾いている位置を駒よりにすることで、難易度が変化します。
より難易度の高いロングトーン練習で安定した音を出せるようになると、さらに細かい弓のコントロールができるようになり、演奏の幅も広がります。
コントラバスの練習の参考になりましたら幸いです。