コントラバスには4本の弦があります。(5弦コントラバスもあります)
曲の中で、ソ、レ、ラ、ミが出てきたとき、開放弦で弾くことがあります。
合奏で、「この部分は、開放弦は使わないように。」と指示を受けたことはありませんか?
コントラバスの場合は、特にG線の開放弦を弾いたときに言われることが多いように思います。
この記事では、開放弦を弾くか、それとも押さえて弾くか、どちらで弾くかの選び方についてご紹介します。
開放弦の特徴とは?
開放弦の音はどんな音でしょうか。
弦を押さえたときの音と比べると少し違うと感じると思います。
- より鋭い音
- より明るい音
- 音がひっくり返りやすい
開放弦を使うと、その前後の押さえた音にくらべ、開放弦だけが浮いた音に聞こえてしまうことがあります。
また、開放弦を弾いたときに音がひっくり返る場合があります。
そのため、押さえるときより少し丁寧に発音してあげる必要があります。
そして、開放弦にはビブラートがかかりません。
同じ音を別の弦でとってビブラートをかけると、音が揺れないわけではありませんが、弦を押さえてかけるビブラートに比べると表現力は落ちてしまいます。
そのため、「開放弦は使わないように」と指示されることがあります。
では、開放弦は絶対に使わないほうがいいの?
と疑問が湧いてくると思います。
「絶対に使わない」というのは間違っています。
押さえたほうがいいところと、開放弦を使っても問題ないところがあります。
開放弦を使わないほうがいいところ
どんなところで開放弦を使わないほうがいいのでしょうか。
- 柔らかい音質を求められるところ
- 曇った音色を求められるところ
- ビブラートで音楽的表現を加えるところ
これらを求められるようなところでは、開放弦を使わず、押さえたほうが良いと思います。
また、開放弦を弾くと、その前後に移弦が必要になる場合があります。
移弦というのはとても大変な動作です。
とくに速いパッセージでは、遅れてしまう場合があります。
開放弦の音ひとつだけのために移弦をするのは、コストがかかりすぎるため、押さえたほうが弾きやすい場合があります。
開放弦の使いどころ
開放弦はどんなところで使えばいいのでしょうか。
- ある程度大きな音量で弾くところ
- 明るい音色を求められるところ
ある程度大きな音量で弾くところでは、その音質の差があまり目立たない場合があります。
また、明るい音色で弾くところは、開放弦でも違和感はありません。
その場合は開放弦を使っても問題ありません。
ソロなどでは、開放弦の特徴をいかしてわざわざ開放弦を使う箇所もあります。
また、速いパッセージで、開放弦の音の前後で大きなポジション移動が必要な場合があります。
開放弦の音を押さえると、シフティングが大変になってしまいます。
そういうところでは、開放弦を使うことで、開放弦を弾いている間に、左手を移動します。
そうすると、左手の大変さを軽減することができます。
ただ、開放弦を使うと、移弦が発生する場合があるので、このあたりはどちらが弾きやすいかをよく考えて使うことになります。
まとめ
この記事では、開放弦を弾くか、それとも押さえて弾くか、どちらで弾くかの選び方についてご紹介しました。
- 開放弦を使わないほうがいいところ
- 柔らかい音質を求められるところ
- 曇った音色を求められるところ
- ビブラートで音楽的表現を加えるところ
- 移弦のコストがかかりすぎるところ
- 開放弦の使いどころ
- ある程度大きな音量で弾くところ
- 明るい音色を求められるところ
- 開放弦を使うことで左手が楽になるところ
ぜひ、参考にしてみてください!