コントラバスを弓で弾くとき、弓のあつかいで一番難しいのは弓元10センチです。
ボーイングで下手になっていくときは、この弓元10センチが使えなくなる現象が最初に現れます。
弓元は演奏上とても大切な場所でもあります。
フレーズを弾いていて、一番大切な音は弓元から弾き始めることが多く、そこを使えていないとフレーズの説得力もガタ落ちになってしまいます。
練習中に弓元がしっかり使えているかどうかをチェックすることはとても大切です。
ただ、つねに弓元を注意しながら弾けるわけでもありません。
そんなときに、手っ取り早く自分がいつも弓元を使えているのかを見分けられる方法をご紹介します。
弓元が使えないとどうなるか
弓元を使えないとどういうことが起こるでしょうか。
コントラバスを弾く前には、弓の毛に松脂をぬると思います。
弓で楽器を弾いていると、だんだん毛についた松脂が弦についたり、飛び散ったりして毛から取れていきます。
弓元を使わないと松脂が残る
弓元が使えていないとどうなるでしょうか。
よく使う弓中あたりは、弾けば弾くほど松脂はとれていきます。
しかし、弓元は松脂はとれません。
そのため、松脂は毛に残ったままになります。
次の日、練習前にまた松脂を塗るとおもいます。
そして、おそらく弓元も松脂をぬると思います。
前の日の松脂が残っているから、弓元は少し薄めになんて塗り方はしません。
これを繰り返していると、弓元に松脂がどんどんたまっていきます。
弓元が黒ずんでくる
松脂がたまってくるとどうなるでしょうか。
夏場によくあることですが、松脂は、気温で溶けることがあります。
弓を弓ケースから出してみると、弓元あたりに松脂の丸い粒が点々とついているのを見たことはないでしょうか。
これがさらにひどくなると、松脂はホコリなどと一緒になります。
そして、弓元の毛がだんだん黒ずんできます。
弓の毛が滑る
こうなってくると一気に毛が劣化していきます。
松脂は塗っているのに、弓元で弾こうとすると、弓が滑ったり、ぬるっとした感じで音が出なかったりします。
黒ずんだ状態でこうなると、元には戻りません。
もう毛替えしないと弾いていてストレスがたまるばかりです。
まとめ
コントラバスの演奏に弓元をしっかり使えることはとても大切なことです。
弓元がしっかり使えているかどうかをかんたんに判断するには、
- 弓元の毛に松脂の溶けた丸い粒がついていないか
- 弓元の毛が黒ずんでいないか
- 弓元で弓が滑ったり、ぬるっとた感じがしないか
弓元をしっかり使えれば、フレーズに説得力を持たせることができます。