コントラバスの練習を始めるとき、必ずチューニングをすると思います。
コントラバスのチューニング方法は、2種類あります。
- チューナーを使ってあわせる方法
- フラジオレットを使ってあわせる方法
コントラバスを始めたころは、4弦ともチューナーを使って合わせていると思います。
少し楽器に慣れてきたときに始めてほしいのが、フラジオレットを使ってあわせる方法です。
演奏会の舞台上で、弾いているうちに開放弦の音が低くなったりすることがあります。
そんなとき、フラジレットを使ったチューニングができるようになると、手短に音をあわせることができます。
以前Twitterでも、フラジオレットを使ったチューニングについて質問されたこともあり、チューニングの仕方についてご紹介します。
フラジオレットでチューニングする方法
チューニングの手順は次の4つです。
- 最初にD線をあわせる
- D線にA線を合わせる
- A線にE線を合わせる
- D線にG線を合わせる
4つの手順を順番に説明していきます。
最初にD線をあわせる
フラジオレットでチューニングするとき、最初の音はD線のAの音をあわせます。
オーケストラでは、本番の舞台上で、コンサートマスターがAの音を弾き、そのAの音に楽団の全員が合わせます。
フラジオレットでチューニングするAの音は、D線の第3ポジション、4の指(小指)で取ります。
小指を弦に軽くふれ、弦を弓で弾いてフラジオレットを出すと、A線の開放の2オクターブ上のAの音が出ます。
D線にA線を合わせる
D線のチューニングができたら、次はA線をあわせます。
D線をあわせたときの小指は、そのままの位置でD線に軽くふれておきます。
A線の第3ポジションの1の指(人差し指)でDの音の位置を、軽くふれます。
A線を弓で弾くと、D線をあわせたAの音と同じ音が出ます。
D線のAの音にA線のAの音程をあわせます。
A線にE線を合わせる
A線の音程が合ったら、次にE線をあわせます。
左手をそのままE線の第3ポジションにスライドします。
小指がA線、人差し指がE線に軽くふれた状態になります。
A線を弓で弾くと、E線の開放の2オクターブ上のEの音が出ます。
E線を弓で弾くと、A線と同じ音がでます。
A線のEの音にE線のEの音程をあわせます。
D線にG線を合わせる
最後に、G線をあわせます。
左手をそのままG線の第3ポジションにスライドします。
小指がG線、人差し指がD線に軽くふれた状態になります。
G線を弓で弾くと、D線の開放の2オクターブ上のDの音が出ます。
D線を弓で弾くとG線と同じ音が出ます。
D線のDの音に、G線のDの音程をあわせます。
フラジオレットで音をあわせるコツ
フラジオレットでチューニングできるようになるには、練習が必要です。
特に、練習しはじめのころは、2つの音程を聴き比べてもあっているのかどうかよくわからないことがあります。
2つの線の音質の違いのほうが気になって、音程の違いがわかりにくくなるというのも理由のひとつかもしれません。
特に、フラジオレットで2つの弦の音を合わせるとき、それぞれの弦を長く弾きすぎると、音質の違いが余計気になるのではないでしょうか。
響きを聴いて音程をあわせる
フラジオレットで音をあわせるときは、響きであわせると音程の違いがわかりやすくなります。
音程があっている方の弦を、長く弾かず、8分音符くらいの感じで音を響かせます。
そして、その響きが消えないうちに、音程があっていない方の弦を同じように8分音符くらいの感じで音を響かせます。
最初の音の響きと次の音の響きの音を聞くと、音程の違いがわかりやすくなります。
そして、2つの弦の音程が近づいてくると、音程があっていなければ、「ウワン、ウワン、ウワン」という音のうなりが聞こえるようになります。
この音のうなりが聞こえてくると、あわせたい音程に近づいている印です。
音のうなりがなくなるところを探してください。
最初に少し緩めて音程を下げておく
本番中にちょっと音程をあわせるときには使えませんが、練習前にチューニングするときに使えるコツです。
これからあわせる方の弦を、最初に少し緩めて音程を下げて(半音以内くらい)、2つの弦を響かせたときに、明らかに低く聞こえるようにしておきます。
この状態から、少しずつ音を上げていくと、音程がだんだん近づいていくのがわかって、合わせやすくなります。
まとめ
フラジオレットでのチューニングは、次の手順でチューニングします。
- 最初に左手を第3ポジションの小指の位置で、D線のAの音をあわせる
- 第3ポジションの人差し指の位置で、D線にA線を合わせる
- 左手をE線側に1弦スライドして、A線にE線を合わせる
- 左手をG線側に2弦スライドして、D線にG線を合わせる
チューニングのコツは、次の2点です。
- 2つの弦の響きを聴いて音程をあわせる
- 次にあわせる弦を少しあらかじめ低くしておき、少しずつ音程を上げていきあわせる
フラジオレットでチューニングができるようになっておくと、音程の違いを耳で聞き分ける練習にもなります。
その結果、相対音感も鍛えられるので身につけておいて決して損はないテクニックです。
この記事を参考に、ぜひ練習してみてください!