ビブラートがかけられるようになると、音色が豊かになり曲の演奏も表現力が増します。
しかし、ビブラートは奥が深く、少し練習したらすぐに出来るようになるテクニックではありません。
プロになってからもさらに美しいビブラートの追求をされている方もたくさんいらっしゃいます。
そうはいっても、まずは第一歩を踏み出さなければ、できるようにはなりません。
この記事では、レッスンでビブラートを習うときに、最初にする練習と左手の動かし方のコツをご紹介します。
左手の動かし方
人の耳には波形の赤丸の部分の音程が聞こえます。
ビブラートをかけるには、左手をゆらします。
では、左手をどう動かせば、この図の波形のような音になるでしょうか。
波形の上の頂点のときの手の形は、次の写真のようになります。
一番手を振り下ろした状態で、波形の中で一番音程が高くなります。
上でも書きましたが、この音程が人に聞こえる音程です。
波形の下の頂点のときの手の形は、次の写真のようになります。
一番手を振り上げた状態で、波形の中で一番音程が低くなります。
手を振り上げることで、弦を押さえている指の弦に当たる位置が少しだけ上になります。
その結果、音程が低くります。
振り上げたあとは、また振り下ろします。
振り下ろすと、ビブラートをかけ始めた形になり、弦を押さえている指の弦に当たる位置が少しだけ下になります。
その結果、音程が高くなります。
この指の当たる位置の差で音程が上下します。
さらにこれを繰り返すことで、音程の上下が上の図の波形のような形になっていきます。
左手のゆらし方のコツ
ビブラートは手を上下にゆらしますが、最初はなかなかきれいにゆれません。
左手に不必要な力が入っていると、痙攣したみたいなゆれになってしまいます。
弦を押さえて弦が指板につく以上の力は必要ありません。
ゆらしている間は、弦が指板から離れないように気をつけます。
左手は次の写真のように押さえている指を中心に扇形に動きます。
さらにこの中心は、肘とビブラートをかけている指(この写真の場合は中指)を通る直線上にあります。
なので、肘を頂点とした円すいを描くように動きます。
実際の動きは次の動画で確認してください。
練習方法
たいていの人は中指が一番かけやすいので、中指で練習します。
G線の第1ポジションでシ♭を中指で取ります。
シ♭を弓で弾きます。
弾くと同時に左手を上で書いたような動きで揺らします。
シ♭の音がゆれてビブラートがかかっているかを確認します。
響きがにごってしまうときは、左手がゆるんで弦が指板から浮きかけています。
ゆらしている途中に左手の力が抜けているかもしれません。
また、響きは止まらないのに、いくら左手をゆらしても音がゆれないときは、上でも書いた左手をゆらしたときに、指の弦に当たる位置が変わっていないためです。
安定した音の波がかかっているように練習していきます。
まとめ
ビブラートをかけるとき、
- 左手は扇形に動きます
- 肘を頂点とした円すいを描くように動きます
- 練習はロングトーンでビブラートがかかるように練習します
まずはビブラートの第一歩を踏み出してみましょう!
弓を使った練習の記事を書きました。
