コントラバスで大きい音を出そうと力むほど音量が大きくならない理由

練習ノート
Photo: musical bokeh by Rosino
この記事は約3分で読めます。

吹奏楽やオーケストラでコントラバスを弾いていると、大きな音を求められることがあります。

いくら頑張って弾いても音量が大きくならない、と悩んだことはありませんか?

この記事では、力みすぎると音量が大きくならない理由と力まなくても大きな音を出せる方法をご紹介します。

音の鳴る仕組み

弦を弓で弾くとき、弦はどんな動きをしているのでしょうか。

 

次のヴァイオリンのスローモーション動画を見てください。

コントラバスも同じ弦楽器なので、弦の振動のしかたは同じです。

  1. 弦が毛に引っかかる
  2. 毛によって弦が横方向に引っ張られる
  3. 引っ張られた弦が毛の引っかかりの限界になる
  4. 毛から弦が滑って、反対の横方向に振動する ←この時音が出る

1~4が弾いている間繰り返されます。

弦にかかる重さと音量の関係とは?

音量は、

  • 弾く位置(駒と指板の間のどの位置を弾くか)
  • 弓のスピード
  • 弦にかかる重さ

によって変わります。

ここでは重さによる変化に注目するので、わかりやすくするために、弾く位置、弓のスピード、毛の量は一定として考えます。

 

まず、弦が鳴る最低限の重さを弦にかけてD線を弾いてみてください。

小さい音が鳴ります。

この時の弦の振幅は小さくなります。

 

次に、弦にかける重さを少し重くして弾いてみてください。

最初より、音量が大きくなります。

弦の振幅は、少し大きくなります。

 

少しずつ弦にかける重さを重くして音量と弦の振幅がどうなるかを弾いてみてください。

気づいてほしい境界ポイントがあります。

重くしていくにしたがって、だんだん音量も弦の振幅も大きくなっていきますが、ある重さ以降は音量、振幅も大きくならなくなります。

このある重さ以降は、音質がどんどん息が詰まったような音質になっていきます。

 

なぜ振幅は大きくならなくなるのでしょうか。

それは、上の「音の鳴る仕組み」のところで、毛から弦が滑るときに音が出ると書きました。

弦にかける重さが重くなりすぎると、毛から弦が滑ろうとしている動きを、毛が止めてしまうためです。

その結果、弦の振幅が小さくなり、音量も大きくなりません。

 

つまり、上で調べた重さの境界ポイントが、今弾いた位置、弓のスピードでいちばん大きな音になります。

また、重さのポイントは、

  • 駒と指板の間のどの位置を弾くか
  • 弓のスピード

によって違ってきます。

 

たとえば、もっと大きな音を出したいと思ったら、弾く位置を少し駒よりにして、弓のスピードを上げてみてください。

その状態で、上でやったのと同じように、弦にかける重さを変えて弾いてみて、弦の振幅と音量が一番大きい重さの境界ポイントを調べてみてください。

わかった境界ポイントの音量は、さっきより大きくなっていると思います。

まとめ

この記事では、力みすぎると音量が大きくならない理由と力まなくても大きな音を出せる方法をご紹介してきました。

 

音量には、次の3つの要素が関係しています。

  • 弾く位置(駒と指板の間のどの位置を弾くか)
  • 弓のスピード
  • 弦にかかる重さ

これら3つの要素のバランスを変えることで、音量を自在にコントロールすることができます。

 

力まなくても大きな音を出すことができます。

力みすぎると音量は小さくなり、むしろ力む一歩手前がいちばん大きな音が出ます。

ぜひ試してみてください!

 

また、力まないようにするためには脱力することが必要です。

脱力については、以下の記事を参考にしてみてください。

力んでるかもと思ったとき、脱力するために意識すべき3つのポイント
コントラバスを弾くときに、「脱力する」ということはとても大切です。 この記事では、どういう状態が「力んでいる」のか、また、どういう状態が「脱力している」のか、そして、脱力のために意識すべきポイントについてご紹介します。
練習ノート
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アマチュアのコントラバス弾き。
18歳よりコントラバスを始め、コントラバスを新 眞二氏に師事。

岡山県生まれ。
職業はプログラマーです。
現在は徳島県在住です。

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