コントラバスの弓の毛も使っているうちにだんだん傷んできます。
くたびれた毛でも、松脂をつければとりあえず音は出ます。
しかし、傷んだ毛は、毛のキューティクルがつるつるになっています。
そのため、松脂のノリも悪く、弾いているうちに松脂がとれてすぐにすべり始めます。
月に1度はセルフチェック
毛の劣化は毎日ほんの少しずつ進んでいくので、弾いた感覚もはっきり弾きにくいと感じることはありません。
いつの間にか弾きにくい状態になっていていることが多いと思います。
そして、毛替えをして新しい毛に松脂が馴染んでくると、毛のかかり具合や弾力の違いですごく弾きやすくなったと感じます。
このいつの間にか弾きにくい状態になっている期間をなるべく少なくするために、月に一度はセルフチェックをするといいと思います。
弓元が黒ずんでいる
以下の記事でも少し触れましたが、弓元は松脂が残りやすい場所です。
コントラバスの松脂は純粋な松脂ではありません。
引っかかりをよくするために、鉱物性のオイルなどを混ぜ合わせて作られています。
そのため、夏場の気温で溶けたりします。
松脂が溶けた状態で、ホコリなどがつくと黒ずみ、だんだん毛が傷んでいきます。
弓元が黒ずんでいるなと思ったら、毛替えの時期です。
黒毛の場合はわかりにくいですが、白毛の方は、チェックしやすいと思います。
毛が伸びている
毛替えをした直後は、毛をいっぱいまで緩めても毛がブラブラになったりしません。
ちょうど毛の張りが緩むくらいに調整して張られているはずです。
毛が伸びてくると、徐々に毛の弾力がなくなります。
そのため、スピッカートのときの弓のはね方が変わったり、毛を弦につけたときの吸い付きが悪くなります。
上の画像は私の弓ですが、こんな感じになったら毛替えの時期です。
毛の量が減っている
コントラバスを弾いていると、弓の手前側の毛がときどき切れると思います。
1本や2本切れても大丈夫ですが、フロッシュのリングの端から2mm以上無くなると弓のバランスが悪くなってきます。
毛の量をチェックしておきましょう。
毛が傷んでくるとますます切れやすくなるので、よく毛が切れるなと思ったら毛替えの時期です。
1年以上毛替えをしていない
毛替えはペースの早い人で半年に1回くらい、普通の人で1年に1回くらいです。
コントラバスを弾く、弾かないにかかわらず、毛は馬の尻尾から切られたその日から劣化が始まります。
1年以上毛替えをしていなければ、毛替えの時期です。
ただ、毛替えにもおすすめの時期があります。
おすすめは、半年に1回毛替えをするなら、梅雨に入る前の5月と、冬乾燥する前の11月。
1年に1回毛替えをするなら、梅雨に入る前の5月がおすすめです。
まとめ
毛替えの時期が来ているかのセルフチェックは、
- 弓元が黒ずんでいないか
- 毛が伸びていないか
- 毛の量が減っていないか
- 前回の毛替えから1年以上経っていないか
毛替えのおすすめ時期は、
- 半年に1回なら、5月と11月
- 1年に1回なら、5月
傷んでくたびれた毛の弾きにくい弓で演奏するより、張りのある新鮮な毛で演奏したほうが何倍もいい演奏ができます。
ぜひ自分の弓のセルフチェックをしてみてください!
毛替えにこだわりたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。