コントラバスを弾く上で、教える方も教えられる方も自分が使う道具については知っておきたいところです。
もうすぐ先輩になるコントラバス弾きの方、また、これからコントラバスを始めたい方に、弓についてぜひ知っておいてもらいたいパーツの名前をご紹介します。
コントラバス弓の各パーツの名前
コントラバスの弓は、次のようなパーツでできています。
- さお
- 毛箱
- リング
- ネジ
- ヘッド
- チップ
- 毛
- 巻線
- サムグリップ
さお
さおは、英語でスティックとも呼ばれます。
フェルナンブコやブラジルウッドという木材が使われています。
最近は、フェルナンブコの木が激減していて、入手しにくくなっているため、弓の値段が以前に比べて高くなっています。
そのため、カーボン製のさおも開発され販売されています。
数万円程度の低価格な木材の弓と比較すると、カーボン製も十分検討の価値があります。
ただ、数十万する高級なフェルナンブコの弓と比較すると、どうしても木の粘りの方が勝るので、フェルナンブコの弓の方が弾きやすく、カーボン製の弓が負けてしまいます。
ときどき吹奏楽やオーケストラで、さおの反りがなくなった弓を見かけることがあります。
さおの反りは、弓の毛の弦への吸い付きやスピッカートなど演奏にとても重要です。
さおの反りがすっかりなくなった弓は、とても弾きにくいので買い替えの検討をされるのがいいのではないかと思います。
毛箱
毛箱のほかにフロッグやフロッシュと呼ばれることもあります。
これは英語でFrog(フロッグ)、ドイツ語でFrosch(フロッシュ)と呼ばれまるためです。
弓の手で持つ部分に取り付けられています。
材質は、だいたいは黒檀(コクタン)でできています。
ただ、数は少ないですが、中にはこの記事の上の写真のような象牙でできた毛箱の弓もあります。
この毛箱をスライドさせて、弓の毛を張ったり緩めたりします。
弓によって、この毛箱の重さや大きさによって、持ったときの重さの間隔が異なってきます。
リング
毛箱についている半月状のリングです。
このリングにクサビを差し込んで、毛の幅を固定しています。
クサビが小さいと、毛の幅が狭くなったり、片方に毛がよってしまったりします。
ネジ
スクリューと呼ばれることもあります。
これを回すことで毛箱がスライドし、弓の毛の張り具合を調整します。
毛を張りすぎると、さおの反りがなくなったり、さおが折れたりする危険もあるので、くれぐれも張り過ぎには注意してください。
ヘッド
さおの先の部分です。
この中に毛の一方の先を入れ、クサビで毛を止めます。
チップ
弓先にある白い部分です。
材質は象牙や牛骨でできています。
低価格な弓の場合は、プラスチックでできている場合もあります。
弓先はぶつけやすいため、弓先の保護の役割をしています。
毛
材質は、馬の毛でできています。
通常は脱色された白い毛が使用されますが、コントラバスは黒い毛を張る人も多くいます。
これは、黒い毛のほうが白い毛よりも脱色されていない分引っかかりがいいという理由や、単純に見た目がかっこいいという理由からです。
毛には、モンゴル、中国、カナダ、イタリアなどの産地があります。
毛の色の違いよりも産地の違いによる引っかかり具合の差も大きく、毛にこだわる方は、産地を指定される方もいます。
このあたりについては、以下の記事も参考にしてみてください。
巻線
毛箱より少し弓先よりのさおにまかれています。
材質は、銀線や鯨ひげなどが使われています。
役割としては、さおの保護と弓のバランス調整です。
巻線の巻数によって、重量バランスを調整することができます。
サムグリップ
巻線とフロッシュの間のさおにまかれています。
役割はさおの保護です。
本来の役割としては、滑り止めという役割もあります。
しかし、コントラバスのジャーマンボウでは、ヴァイオリンのようにさおを直接持つことはないため、滑り止めの役割はありません。
まとめ
後輩に「これなんて言うんですか?」って質問されて名前がわからないと、困ってしまう場面もあるかもしれません。
コントラバスの弓の名前も押さえておきたい名前はたかだか9個くらいです。
- さお
- 毛箱
- リング
- ネジ
- ヘッド
- チップ
- 毛
- 巻線
- サムグリップ
今のうちに自分が使う道具の名前は覚えておきましょう!
さらに、弓の持ち方も知りたい方は、次の記事を参考にしてみてください。